侍従 本当に農奴になる
間の悪い時と言うのは往々にしてあるものである。
本日、大侍従の大庭園を手入れに行ったのだが、そこへ運悪くニコライブルクで百姓稼業を営むトラクターに乗ってきた従弟の農務尚書とばったり出会ってしまったのである。
尚書 :おぉ、これは侍従殿。
いいところでお会いできた。
侍従 :うっ!!(嫌ぁな予感)
こ、これは農務尚書殿、作付は順調か?
尚書 :その作付に侍従殿に頼みたいことがあるのだが。
侍従 :(そうら来たよ)
し、して(汗)、小職に一体何をせよと申すのかな?農務尚書殿。
尚書 :明日から天気が崩れそうなのだ。
今日中にあの畑に苗の移植を完了したい。
その畑の一部は東の皇太后(侍従の亡き母)より侍従殿が引き継いだ箇所
もある。
よもや断ることはありますまいな!侍従殿!!!
侍従 :くっ!!(絶対絶命!)
つ、謹んで拝命致します。(T△T;号泣)
尚書 :おぉ、そうか!!やってくれるか。
では小職は別の畑を耕してくるのでよろしく頼む。
後の段取りは農務次官(もう一人の従弟)から説明を受けるように。
「ダッダッダッダ」と大型トラクターを乗りこなし去っていく農務尚書。
侍従が子供のころから見ると玉ねぎの苗の移植も完全機械化され一人で行えるようになり楽になったが暫く給料取りをしていた侍従には前回の畑耕しから引き続き重労働である。
が、強風の中、鼻水を垂らしながら一人頑張った侍従。
その成果がこれ。

(片道500メートル)
もう、心身くたびれタンホイザーである。
移植が終わり帰還した侍従に農務尚書は、
尚書 :普段から茶碗と箸と鉛筆しか持たない生活をしてきた報いである。
それは事実ではあるが、そう言われてもねぇ。
とほほ(再び号泣)。
ポチっとされたし
