ニコライブルクの物語
ニコライ宮殿 またしてもテロに遭う
やややや?!
こ、これは一体?!

事もあろうに普段はきちんと使っていない金魚の水槽の中に蓋をしてしまってあるはずのキンコとクスコの餌がまき散らされているではないか!!
こうなると一転、宮廷内特別高等捜査官(略して特高)に変身する侍従である。
捜査官:ふむ、まずは聞き込みだな。
陛下、つかぬことをお伺い致しますが、何故キン・クスの餌を撒き
散らかしたのでございます?
ニコ :何のことじゃ!ち、朕は存ぜぬ!!
朕は午前中朝食を採ったあと、ずっとこのニコライ棚におったでな。
それは、出かける前に侍従が確認しておろう。

捜査官:普段日頃、キン・クスの餌の水槽の上をお通りになっていることは
明白でございます。
いつも玄関から外に出るのを侍従に制止されている腹いせに陛下が
中から餌を引っ張り出して撒き散らしたのではございませぬか?
ニコ :な、なんと、これはしたり!!
無礼なことを言うでない。
朕は皇帝なるぞ。
何故斯様な卑しい真似をしなければならぬのじゃ!!
そち、これ以上不敬を働くとシベリア送りじゃ。

捜査官:さて、シベリア送りになるのはどちらですかな。
まぁ、いいでしょう。
また何かありましたらお話を伺いに参ります。
それまで勝手にニコライブルクから出ませぬように。
ニコ :フン!!
ニコライブルクどころか宮廷からも出してはくれぬわ!!

捜査官:そうなると、次に怪しいのはあいつか。
これ、そこの平民!!
キン・クスの餌を撒き散らしたであろう!!
ジョゼ:失礼なこと言わないでほしいなのよ!!
あんであたしがそんなことするなのよ!!

捜査官:お前の悪食は過去の前科でも証明済みである。
前科者はまた同じ犯罪を繰り返すとも言うからな!!
ジョゼ:しっつ礼しちゃうわねなのよ!!
これでもあたしは女神様の教育係してたなのよ!
そんな非倫理的なことをするわけないなのよ!!

捜査官:しかし、平民!過去に未成年の女神を飲み屋で雇っていたと言うでは
ないか!!
それだけでも帝国条例未成年風俗及び飲酒業雇用禁止法に抵触しておる。
お前のような平民なぞしょっ引くネタはいくらでもあるのだ。
ジョゼ:あら、何の事だか覚えがないわねなのよ!
確かな証拠もないのに犯人呼ばわりしないで頂戴なのよ!!

捜査官:くれぐれも言っておくが、この事件(ヤマ)が解決するまで勝手な行動
を控えろよ!!
ジョゼ:フン!!大きなお世話なのよ!!(プンスカ!!)

捜査官:最後は一番可能性は低いが、まぁ、当たってみるか。
おい!女神!!
キン・クスの餌を撒き散らしたのはお前か?
フレイ:??なんのことぢゃ?
妾がそのようなことができると思うか?

捜査官:最近のご時世、犯罪の低年齢化が進んでいるのでな。
何と言ってもお前は気の強さは天下一品だ。
よもやとは思うが皇帝陛下に喧嘩では勝てない腹いせにやったのでは
ないか?
フレイ:妾は病み上がりぢゃ。
そのような体力はまだ無いのぢゃ!!

捜査官:病み上がりにしては日々元気一杯のようだが?
フレイ:うっ!
それで何か不都合なことでもあるのかのう。

と、言う訳で誰かが嘘をついている。
この件も確たる証拠も無くやっぱりコールドケース(迷宮入り)になってしまうのか?
怒り心頭するも、怒ることなく黙って後片付けをせざるを得ない侍従なのであった。
(号泣 T_T)
ポチっとされたし

ニコライ フレイヤ、共に好意をよせられる
多分に洩れずニコライ宮殿の住人達も例外ではない。
(ありがたいことに)
侍従 :女神様。
遥か南方の都より女神様の熱烈信者と名乗る者がおる様にございます。
フレイ:ほう、妾にぞっこんとは妾を崇めているものなのか?

侍従 :十中八九おしむらくは。
その者曰く女神様の声を自分なりにアレンジしているによし。
相当な熱の入りようにございます。
フレイ:そうなのか?
なにやらようわからぬが、その者には幸を与え給うぞ。
また、その者に関わる全ての者に平穏と幸を与え給う。
心して日々精進して生き抜くのぢゃ。
さすれば、必ずやその者とその者に関わる者達に良いことが舞い降りよう。
妾の言うこと無下にするでない。

侍従 :彼の者もこれを聞いて安堵することにございましょう。
ニコ :ほう、自称女神。
崇める者がついたと申すか。

侍従 :あ~、そう言う陛下には帝都近隣の地より求愛の情を示すご婦人が
いらっしゃるによし。
ニコ :な、なんと朕にか?

侍従 :何やらそのご婦人、陛下にぞっこんである旨を外電に伝わっておりまする。
ニコ :外電?新華社か?UPIか?それともロイター共同か?
侍従 :通信社はどこでもよろし。
陛下!!如何なさいますのか?
ニコ :.....。

侍従 :陛下、陛下!!
ニコ :い、嫌じゃ!!朕はもっと遊びたいのじゃ!!

侍従 :と、言う訳でございます、ひな様。
我が陛下はまだまだガキんちょにございますれば。
何卒お赦し下さいませ。
ジョゼ:ちっ!!
いい稼ぎがしらが来ると思ったのになのよ。

得てして、初恋と言う物、なかなか成就せぬものなのである。
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