侍従 思いっきりヤジ馬になる
左ひじをひじかけに掛け、右手をハンドルのてっぺんに置いて調子こいた格好で運転しているととっさの危険回避が出来ない。
(っていうか、そんな格好で運転しててできる訳が無いわ)
そんな、今日も凍てつく寒さの朝のニコライ宮殿である。
侍従 :ささ、陛下。
朝の写真をお撮りしますよ。
ニコ :うむ?
朝っぱらからか。

侍従 :では行きます。
パチリ。
ガシャン!!
ニコ :ん?如何した侍従。

侍従 :陛下。
先の交差点で事故のようでございます。

こうなると喜び勇んで見に行く侍従。
ヤジ馬である。
何やら聞いていると左折しようとした車が曲がり切れず交差点で一時停止している車に
ガシャンとぶつかったようである。

(こんな図まで描いて、暇なのかい!!)
ようは、路面が凍っているので左折しようとした車が滑ったと、こういうことである。
こういう場面を見ると人間性が顕著に表れて観察していると面白い。
(それを見に行く侍従も侍従だが...^▽^;)
こういう時に事故を起こし、保険を使いたい場合は警察に連絡し、調書を取ってもらわねばならない。
保険会社はその調書を見て互いの当事者の過失度合いを決めるのである。
お前が悪い、私は悪くないを決めるのは警察ではない。
警察はただ、状況と原因を明確にするだけある。
過失度合いを決めるのはあくまでも保険屋である。
車をぶつけてしまってパニック状態のおばちゃん。
会社に遅刻すると言って焦りまくるおっちゃん。
おっちゃん:どうしてくれるんだい!!えぇ?
おばちゃん:(わたわたわた)今、主人に連絡しますので。
おっちゃん:主人じゃねぇだろ!!
保険屋だろ!!
聞けばブレーキを踏んだけど止まらなかったという。
当然である。
路面に氷が張ってテッカテカなのだ。
いきなりスピードを落とすためにフットブレーキだけで止まれる訳が無い。
こういう状況の場合は、事前にスピードを落とし、氷っていない路面にタイヤを乗せてスピードを落とさなければならない。
真冬の道を運転するには常識である。
見かねた侍従。
侍従 :おっちゃん、保険屋より先にまず警察だよ。
警察に調書取ってもらわないと相手の保険屋も動けないよ。
(コナン君の口調で)
おっちゃん:お、おぉ!
警察だぁ、警察。
侍従 :おっちゃんもおばちゃんも事故処理も満足にできないで車運転してたの?
(引き続きコナン君の口調で)
おっちゃん、おばちゃん:......。
人間、何事も経験だ。
こういう場合だけは人間生きた長さではないのである。
(そう言う侍従は何度も車をぶつけられている経験を持つ)
今の車は誰でも簡単に動かせるような作りになりすぎている。
(これが販売促進させるために犯した各自動車メーカーの最大の功罪である)
走行も変速もコンピュータで自動制御され、ある程度は運転者をサポートしてくれる。
だが、量産価格2、3百万円くらいの価格では航空機並みの制御なぞ開発出来る訳がないのである。
どだい、車が路面状態をコンピュータ制御すると言ってもアクセルとブレーキだけで氷の道を制御なぞしきれるものではない。
(まぁ、車のコンピュータ制御が出来る範疇で運転しなさいってことなんだろうが)
え?
私?私は(給仕係も)乗りませんなのよ。
そんなエンストって言う安全装置もない、クラッチもついていない、変速も状況に応じて即座に細かくできない車なんて。
侍従も給仕係りも古い人間なのである。
でも、おっちゃん、おばちゃん。
人に怪我させなくてよかったね。
車の運転は性能に頼ることなく、己の技量も過信せず、気を抜くこともなく慎重に運転するに限るのである。
ポチっとされたし
