給仕係 ビアガーデンリミテッドエクスプレス
まぁ、事なきを得て帰ってくると給仕係の車がある。
おや?
今日はずいぶんと早い帰宅だなぁと思ってニコライ宮殿に入廷すると...。
給仕係:おぉ、これは良いタイミングで帰って来られた侍従殿。
すまぬが最寄りの地下鉄の駅まで送ってもらいたい。
侍従 :如何したのだ。
給仕係:いや、何。
どーしても同僚達と大通ビアガーデンに行く必要があるのだ。
侍従 :...。
いや、ゆっくり楽しんでくるがよかろう。
ビアガーデンにて職場での共有価値感を同僚と分かち合ってくるがよい。
と、言う訳で地下鉄駅まで給仕係を送って行く侍従。
給仕係:では、あまり遅くならないと思うが陛下、お嬢様、女神様、皇太子殿下
をよろしく頼む。
チャオ!!
「チャオ」
陛下並びにニコライ宮廷臣民の全てのお世話が免除される魔法の言葉である。
(因みに侍従は使われるばかりで一度も使ったためしは無い)
ついでに言うと酒飲みの「早く帰る」は、選挙前の政党マニフェストと同じくらい当てにならないのも各位、周知のとおりである。
スキップしながら喜び勇んで地下鉄入口に入って行く給仕係。
よほどビアガーデンでビールが飲みたいのであろう。
そうこうして侍従が宮殿に入廷すると、
ニコ :のう侍従。
今日は朝から給仕係の姿が見えぬが如何した?

侍従 :あぁ、ビールをかっ喰らいに行った由にございます、陛下。
ニコ :朕に断りも無くか。

侍従 :如何なさいましょうや、陛下。
シベリア送りに致しますか?
ニコ :まぁ、良いわ。
あの者も職場でのストレスも溜まっておるのじゃろうて。

フレイ:ぢぢゅう。
メシぢゃ、メシ、メシ!!

侍従 :はいはい、只今ご用意致します。

彼らに食事を与えて自分の食事のことをすっかり忘れていた侍従。
冷蔵庫を見る。
週末だった。
前回同様空っぽに近い。
しようがない。
カレーだ。
カレーを作ろう。
いつもの通り具には困らないと、思いきやニコライ庭園に行くと!!
ナスビがまだ大きくなっていない。
トマトが赤くなりきれていない。
困った。
どうしてもトマトとナスビが欲しいところである。
仕方が無い。
不本意ではあるが、いにしえの昔より人類が脈々と受け継がれてきた方法を実践することにする。
略奪である。
早速、車で5分の祖母の畑に行く侍従。
おぉ実っとる実っとる。
(暗くて写真を写せない。フラッシュを焚くと見つかるし)
果たして物資は整ったのである。
豚バラ、ジャガ、人参、玉ねぎ、トマト、ズッキーニ、ナスビ。

ごった煮である。
(あまり美味そうには見えないなぁ^▽^;)

ついでにブロッコリーも湯だいてみた。

ビアガーデンにはロクな食い物が無い。
どうせ給仕係が帰ってきたらきっと
「腹減った―」
と、言うに決まっているのである。
長い付き合いである。
そんなことはとうにお見通しなのだ。
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