ニコライ 侍従の大ボケを懲らしめる
誕生日なぞは、
『世間に顔向けできるよう恥じ入ることなくこの世に生を受けたことを日々自分の胸の内に感謝せよ』
であるし、
父の日、母の日は
『連日親には感謝する心をしていれば特別何かをする必要も無し』
である。
親が困った時に手を貸してやる程度である。
ただし、例外はある。
給仕係の家での風習は(給仕係の誕生日も含め)尊重せねばならないし、ニコライ皇帝陛下、アレクセイ皇太子殿下、フレイヤ女神、ジョゼフィンお嬢様(以上、身分順)のご生誕日、ご降臨日、並びに誕生日については我が家に対し、計り知れない恩恵を考慮するにあたり特別扱いせねばならぬことではある。
そんな今日も本当に暑い一日のことである。
ニコ :そち、日々の恩恵にかまけ何か重要なことを忘れてはおらぬか。

侍従 :ふわぁ?
一体何のことにございましょうや?陛下。
その時。
「ピンポーン」
ニコ :これ、平民。
何者か来たようじゃ。
対応してまいれ。

ジョゼ:なんであたしなのよっ!!

アレク:(そちは、平民じゃからにょう)

暫く玄関でジョゼフィンが来客に対応して戻ってくると。
ジョゼ:侍従のおじにゃん。
仙台の委任統治領総督マロン侯爵から何やら贈り物が来たなのよ。

侍従 :え?マロン侯爵閣下からでございますか?
ニコ :ほう、あのマロン侯がのう。

ニコ :侍従、早速開封するがよい。

侍従 :ははっ!!
開封してみるとな、な、なんと!!

花の慶次の葡萄酒である。
東北でその名も高し、高畠ワイナリーの葡萄酒ではないか!!
ここの葡萄酒も国内極めて優秀な葡萄酒を作るところと聞き及んでいる。
ニコ :そち、これでもまだ何のことか思い出せぬと申すか!!

侍従 :はっ!!(とする)
しまった!!
そうであった。
今日は、給仕係が侍従の姓を名乗ってくれることを承諾し入籍した日から17年目であった。
すっかり失念である。
(あ~っはっはっはっはっは^▽^(汗))
ニコ :このうつけ者!!
マロン侯が今日これを届けてくれねば、そち、すっかり忘れておったであろう!

侍従 :御赦し下さいまし陛下!!
この侍従が浅はかにございましたぁ!!
ニコ :えぇい!!
そちは、いずれシベリア送りじゃ!!
と、したいところじゃが、給仕係の恩赦に免じて本来であれば平民にこの葡萄酒
を管理させるところを罰としてこの葡萄酒は皇帝府直轄とするでな。
よいな、侍従!!

侍従 :...御意のままに、陛下。
アレク:わしらが管理すると言うことは、勝手に飲んでもよいにょのか?兄上。

ジョゼ:皇太子殿下はまだ未成年なので飲んではいけませんなのよ。
それに皇帝のおにぃにゃんは、下戸なので飲めないでしょ?なのよっ。

ちょっとこれは暫く勿体なくて飲めない侍従なのであった。
ポチっとされたし

お礼です。
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