アレクセイ ニコライブルク国防外交を学ぶ
前者は、強大な軍事力を背景に他国からの侵略および内政干渉に関してツケ入る隙を与えず、場合によっては相手国まで侵攻し、自国内の安全を確保すると言う考え方であり、後者は、外交対話努力により両国間の信頼を構築することで互いに不可侵の協約を結ぶと言うものである。
そんな今日も暑い日がな一日、爪の手入れをしながら侍従に国防外交学に学ぶアレクセイ皇太子殿下である。
アレク:にょう、爺助教。
わしは国を守るためにはタカ派の考え方が一番効力を発揮すると思うにょじゃ。

侍従 :ですが、アレクセイ皇太子殿下生徒殿。
軍備増強には軍事費という非常に莫大な予算を使う必要がありますよ。
兵器、それを維持する維持費、将兵を訓練するための費用、その将兵の衣食住
等々。
それは臣民に負担を強いることになりますよ、アレクセイ皇太子殿下生徒殿。
アレク:臣民どもには辛抱させればよいにょじゃ!!
さすれば国家は安泰じゃ。

侍従 :それではいけません。
あまりに軍事力を増強するといくらこちらが国防のためとはいえ相手仮想敵国
からすると侵略されるのではないかという恐怖心から相手も軍備増強すること
になります。
軍拡競争となれば臣民に過度な負担を掛けることになります。
臣民の豊かで安全な生活があってこその国家なのでございます。
そのために無益な軍拡競争を是正させるために外交という物が重要になってく
るのでございます。
アレク:じゃがにょう軍事力と外交、それをどのようにして相手に知らしめるにょじゃ。

侍従 :普段日頃ジョゼフィンお嬢様がなぜゆえ日々相手国との宰相閣下と常に交渉の
場を持っているかは、このためにございます。
ただ日頃侍従から借モフモフを取り立てている訳ではないのでございます。
アレク:軍事力と外交力にょう。
それをどのように行うがよいのかにょう、爺助教。

侍従 :普段日頃より、お嬢様や兄上君のニコライ皇帝陛下の執務にてお学びください
ますよう。
ニコライ皇帝陛下は普段こそヒヨヒヨを装ってはおりますが、外交面で埒があかな
い場合は、躊躇わず「防衛発令」を発布する肝は座っておりまする。
よろしいですか、アレクセイ皇太子殿下生徒殿。
次期皇帝を継がれる御身である以上、王朝国家は外敵から臣民の豊かな生活を
守ってこそ国家を存続する意義があるのでございます。
爺からの教えは以上にございます。
アレク:わかったにょじゃ、爺助教。

ジョゼ:皇太子殿下は、ほんとにわかっているのかしらねなのよ。
皇帝のお兄にゃん。

ニコ :ニコライブルク帝国軍令部の防衛大綱(不可侵)は絶対じゃ。
心配はいらぬ。

だが、彼らの知らない水面下でニコライブルク国家中央情報局(NCIA)がとんでもない国家工作の企みを知るのは、まだ先のことであった。
不穏な雲行きを是正するためにポチっとされたし
