侍従 讃岐うどんで師匠と崇める方に出会う(第2日目その2)
どんなに長く生きて経験豊富であっても知らないことに関してはど素人である。
そんな場合はどうするか。
恰好をつけて知ったかぶりすることなく自分より年長であろうが年少であろうが知識のある方に教えを乞うのが一番なのだ。
そんな訳で瀬戸大橋を後にした侍従と給仕係。
次に向かった場所は、
「四谷シモン人形館」
何を隠そうこの人形館、四谷シモンにぞっこんの鎌田醤油の社長のどー楽で場所を貸している人形館である。
って、おい!おい!!おい!!!
ここ車で通んなきゃ行けねぇのか?!

だめだろここ!!
ニコライブルクの常識じゃここ車両通行禁止だぞ!!
やぁれやれ。
やっと着いたわい。

ところが、ここの受付のおばちゃん。
「うどん食べてきた?」
当然食っていない。
そう言えば讃岐うどんは素人が行く注文すれば普通にテーブルまで持ってきてくれる一般店とうどんをトッピングするセルフの店と玄人が行く超難関の製麺所直結の店があると聞いた。
とにかく絶対美味い店だからと言われるがまま行くとなぁんと!!
製麺所直結の店ではないか!!

(日の出製麺所)
食い方も流儀もわからんぞ!!
どうする?どうする?
と言いつつも中に入る。
混雑している店内に戸惑い一体どうしたらいいんだ。
と、その時。
奥から丼ぶりを片手に侍従と給仕係を手招きする少年の姿が。
少年 :ここ二人空いてますよ、どうぞ。
侍従 :こりゃどうも御親切に。
で、私らは一体どうすれば。
少年 :今、玄関先でうどん玉の数を注文取ったおばさんがうどんを器に入れて持って
きてくれますよ。
侍従 :あ、そうですか。
暫く待っていると侍従と給仕係のうどんを持ったおばちゃんがうどんを置いて行く。
うどんの丼ぶりにはうどん玉とちょっとのだし汁しか入っていない。

侍従 :???
少年 :あぁ、そこにおいてあるネギをハサミで切って入れてください。
うどん玉もご自由にどうぞ。
あ、そうそう、ぼくの注文した生姜も良ければどうぞ。

侍従 :あ、いや、至れり尽くせり恐れ入ります(大汗)。
非常に美味いうどんである。
その少年にすっかり感服してしまった侍従。
何と礼儀正しく折り目も正しい少年なのだろう。
しかも侍従の年と比べれば1/3ほどしか生きていないのにもかかわらずこの堂々と自信に満ち溢れた出で立ちはどうだ。
この少年のお陰で難易度高の製麺所直結の讃岐うどん屋を克服できたと言っても過言ではない。
人間やはり生きた長さではない。
人生が短くとも経験の内容の深さ、資質と志の高さおよび高潔さが物を言うのだ。
少年 :では、ごゆっくりどうぞ。
僕はこれで失礼致します。
侍従 :至れり尽くせりありがとうございました。
お陰を持ちまして美味しいうどんを頂くことができました。
製麺所を後にまた四谷シモン人形館に歩いて戻る侍従と給仕係。
給仕係:侍従殿。
よく人間ができた子供でしたなぁ。
侍従 :できればもう一度お会いしたいものだ。
と、市立病院の前を歩いていると調剤薬局の建物の中から出てきたその少年と再び遭遇。
改めて礼を言う侍従。
少年 :どうでした?
讃岐うどんはあそこの店が一番美味しいんですよ。
ところでどちらから?
ニコライブルクからだと告げると。
少年 :それは遠いところからわざわざお越しくださいました。
この辺は暑いでしょう。
どうか脱水症にならないように水分補給を欠かさずに旅を楽しんでください。
じゃ、さようなら。
侍従は思わず言ってしまった。
侍従 :あっ!!師匠!!師匠と呼ばせてください!!
ありがとうございました!!
少年 :師匠だなんて、そんな...。
と、はにかんだ笑顔を見せ市立病院の中に入っている少年、家族が入院しているのであろうか。
日本はまだまだ捨てたものではないとじぃ~んとした侍従である。
一度この子のご両親若しくは祖父母の方々にお会いしたいと思った侍従なのであった。
ニコ :なるほどのう...。
このような者には国家が教育費を与え、国家のために貴重な人材として秀でた教育
を与えねばならぬのう。

侍従 :陛下もそう思われますか。
ニコ :レーベンスボルン計画もあながち間違いとも言い切れぬでのう。

なんか話が変な方向に行ってしまった。
四谷シモン人形館の続きはまた次回。
(この旅行記一体いつ終わるんだろう)
ポチっとされたし

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