ニコライブルクの物語
侍従 みたび帝都に上洛す

暑い。
暑いぞ、帝都!!
暑すぎるぞ!!
すっかり真夏だぞ!!
と、言うわけで、そんな帝都の夜は銀座で...


(ライトアップされた歌舞伎座)
ヱビスバーでおっく様とヱビスビールを傾けるに限る。

(おっくさん、わざわざ新幹線で駆け付けてくれてありがとー!!)
ポチっとされたし

にほんブログ村
だが、帝都に来た本当の理由は...。
(長いぞ。本当に辛い話ではあるから読むことはあまりお勧めしないが)
↓
「いよいよ危ない、意識が少しでもある今のうちに絶対、会いに来い!!」
と、言う知らせを聞き、後悔しないようにしろと給仕係からも激を飛ばされて、全てを放り出して帝都に飛んできたというのが今回の帝都上京の理由である。
そんな彼はすでに緩和病棟に移っていた。
相当な激痛なのだろう。
それを和らげるために麻酔(多分モルヒネだ)で、話しかければなんとか受け答えはするが意識も定かではない状態だった。
そんな彼から出る言葉は死に対する恐怖と絶望に苛まれている。
それに対してかける言葉が見つからない。
この侍従にはそのような状態になっていないので悲しいことだがどうしても彼の苦痛と恐怖心をわかってやることができないのが悔しくてならない。
その気持ちは、実際に病魔の苦痛に喘ぎ、迫りつつある死にある恐怖心は彼にしかわからないからである。
だが、ろくでなしのこの侍従。
病室に飾っている3歳にも満たない彼の娘の大きな写真を指差して
「この子の顔を見ろ。もう一度そんなことを言ったらただじゃおかねぇぞ!!」
と、怒鳴りはしないが笑顔で敢えて心を鬼にして叱咤した。
「そうだな」
何とか声を振り絞り、友人は力のない笑みを浮かべてそう言った。
渾身の力を振り絞って彼が何とか持ち上げようとした手を握った。
暖かかったが、薬のせいで手も足もかなりむくんでいる。
相当辛いはずだ。
話すことも大変な力を必要とするようになってしまったのだろう。
疲れたせいなのか話そうとするが声にならない友人を見て、彼の手を握りながら
「いいから、言いたいことは分かっているからもう何も喋るな!!」
彼の手を両手で包み込むように握りながら思わずそう言ってしまった。
彼が笑みを浮かべて安心した顔になった。
それを契機に何もしてやることができない自分が情けなくて本当に泣きたくなった。
が、明るく気丈に振る舞う彼の奥さんとご両親の気持ちを考えると自分よりももっと辛いはずだと思い直し、務めて明るい顔をして彼と接した(と、思う、自分では)。
彼の負担も考えてあまり長い時間もいられず別れの挨拶をして、その場を後にした。
後ろ髪を引っ張られるという思いはこういうものか、どころの話ではない。
こんな辛い思いをするのは、母親が事故で他界した時と給仕係の父がこの世から旅立った時と、ばあちゃんが極楽浄土に出発した時以来である。
ニコライブルクからは、そう頻繁に来られる場所ではないので次回彼に会うときは、残念ではあるが彼が永眠した姿と会うことになるかもしれない。
人には、それぞれ寿命というものがある。
そういうものがあるとすれば彼の寿命はそれまでなのだろう。
運命は自分の手で変えられると人はよく言うが、そんなものは嘘である。
世の中では自分の手ではどうしても変えられないものが必ず存在する。
ゆえにそういうものを運命というのだろう。
自分の人生というものは、先のことがただ知らされていないだけのことなのだと思う。
だから普段の生活の中で思い悩み、少しでもよりよく楽しく暮らそうと人は人生の中であがき続けるのだろう。
今回、友人に心の中で事実上、最後の別れと感謝の気持ちを伝えてそう思った侍従なのである。
ニッコン、ジョジョ、フレちゃん、アレ君、撫でっこ。
明日帰るよ。
残されるもの。。。
ほとんど。。。はぼ。確実に。絶対。。
この世の中は、残されるものでございます。
残されるものの使命は、
楽しく生きること。。。
で、あると思っております。
楽しみましたなあw
じぶんのブログのコメ返しかっ??!!ヾ(゜ェ゜;)
仰る通り。
ほんとそれしかできないんですよね。
嗚呼、そうだったんですか。
お大事にしてくださいね。
鍵コメ2様
全くその通りですよね。
本人もさることながら、支える家族も大変だと思います。
やはりご家族、特にご両親(昔から知ってるの)のことを思うと...。
鍵コメ3様
いやいや、最後はそうするしかないんですよ。
こっちも上手くは言えないんですが、ま、なんとも...。
こて家様
いや、偉いのは彼の奥さん。
人前ではくらい素振りを一切見せることなく仕事しながら、娘をみて看護もして。
辛いと思います。
何にもしてあげられません...(涙)。
おっく様
いや、全くその通りですな。
残された者は、それでも生きて行かねばなりません。
いやぁ、しかし、無理なお願いを聞きいれて頂き感謝でございます。
また、アポなしメール出させて頂きます^-^。